「………アレン様っ!」



ギルクとイル、レイの三人が思案を巡らせていると。


マケドニスの切羽詰まった声が聞こえてきた。



そのただ事ではなさそうな声色に、三人同時にバッと顔を上げる。


そしてまた三人同時に直ぐ様廊下に飛び出した。




「マケドニス!どうし…」


たんだ、と言おうとしたが、ギルクの声はまたしても遮られた。




目の前でアレンとクナルとマケドニスが、揉み合い争っていたのだ。



アレンが二人から逃げようとしているらしく、クナルは目を真っ赤に腫らしたままその腕を掴み、マケドニスは眉を下げ困り顔でアレンをがっちり押さえている。


レイとイルも目を丸くしてその光景を見つめた。




「駄目ですよアレン様!まだ休まなきゃいけません!!」


後ろからアレンを捕まえながら、必死に言うマケドニス。


「そうよ、普通ならまだ歩けない体なんだから」


クナルも涙声でアレンを説得している様子。



「…俺は歩ける、もう大丈夫。だから…」


「駄目です」



アレンの発言はマケドニスに遮られてしまった。