────真っ暗。



まさにそうとしか言い様のない、月の光も届かない暗い空間。






そこで何かが、希望と共に目覚めた。





「……やっと、見つけた…。」




その者は待っていた。



長い間、ずっと。





「『魔王』…、貴方ができなかったこと、私がしてあげるわ」




空間に浮かぶ水晶玉を覗きながら、その者は呟いた。










「待ってなさい、神ファンリュジョン────。」









静かに闇が、動き出す。