「…寝てるのね?」
確認するように囁くレイ。
この瞬間、アレンは心の中で勝利を確信した。
しかし。
「…アレンったらかわいい」
そう囁いたレイが。
─────軽く、額にキスをした。
そして、そっと離れて美青年を見下ろす美少女。
「…………あら?」
────アレンは驚いて、その碧の瞳をぱっちりと開いてしまっていた。
「「………………………。」」
長い、長い二度目の沈黙。
それを破ったのは……
「………お、起きてたの…?」
そう真っ赤になりながら消え入るような声を出した、レイだった。
「………………。」
アレンはぱちぱち瞬きして何も言わない。
否、何も言えない。


