『…やはり思い出してしまいましたわね』






真っ白なだだっ広い空間。




虹色の羽根を持つ精霊に、虹色の瞳と金色の瞳のオッドアイを持つ女性は話しかけた。




虹の精霊はしゅんとして羽根をしょげさせる。






『…助けてあげればよかった。掟は大切だけど…よく考えたらあっちだって破ってたのよ』


『自分を責めることありませんわ。わたくしが貴女に命令をしたんですもの』





有無を言わさぬ威厳ある響きを籠めた声。





精霊は顔をあげると微笑んだ。









『ファンリュジョンこそ。責めてるんじゃないの?』













その言葉に透き通るような綺麗な金髪を靡かせ、女性───世界ファンリュジョンの神、ファンリュジョンは笑った。







『わたくしは貴女みたいにクヨクヨしたりしなくてよ』


『…とんだ神様ね』




オホホホホ、と優雅に笑う神に精霊はそれしか言えない。