「…うわ、やばい…」
氷柱で出来た壁の隙間から中を見ていたマケドニスは、思わず素で呟いた。
そこに聞きなれた声がする。
「マケドニスっ!」
振り返ってその声の持ち主を見たマケドニスは、ホッとして力が抜けそうになった。
駆け付けて来たのは、法帝であるオレンジの髪の少女イル。
その後ろにはギルクもいる。
「おい、これ何だ?どうしたんだ?」
ギルクが眉を寄せマケドニスに訊ねる。
固まって震えるルルアン達からアレンに目を移し、その後レイを見て────氷柱に飛び付いた。
「レイ!」
彼女の横たわる地面が真っ赤に染まっているのを見て、真っ青になって叫ぶギルク。
マケドニスも改めて彼女を見た。
────すると、あり得ないものが見えた。
「………え?あれ??」
信じられないと、ゴシゴシ目を擦る。
もう一度見て、絶句した。