レイの言葉に、アレンはまた回転した。


身体を城門の方角へ向けると、確かにリルムが兵士の集団をすり抜けやって来ている。



城門を護っているのは武術軍隊第三部隊。


あのデカイ図体は、小さなリルムからしたらすり抜けやすいものだったのだ。




「…あいつ、この忙しい時に何なんだ!」


アレンは思わずイライラとそんなことをぶちまけてしまった。


手で帰れと示しても、リルムは首を横に振って二人のもとに来る。


気付いた魔法軍隊の兵士が捕まえようとしたが、リルムはそれもするすると逃れた。




「アレンっ!」


一気に駆けてきたリルムは、思い切りジャンプしてアレンに向かいダイブ。

アレンは辛うじてそれを受け止めた。


すぐに降ろして帰らせようとするが、リルムは頑としてアレンから離れようとしない。



「…おいリルム、ここに来ちゃ危ないだろ。帰れよ、お母さん心配するぞ」


そう宥めても、リルムは納得せずアレンにしがみついたまま。