レイの呟きにアレンは表情を消した。

彼女は気付いていないが、目も冷たく光る。



「…いくらこっちが信用してても、裏切る奴は裏切るんだ」



低く冷たくなったアレンの声に、レイはビクリと肩を震わせた。


恐る恐る見上げる。


「…アレン」


無表情なアレンに、レイは夢で自分と彼を遮った壁を思い出さずにはいられなかった。



(やっぱりまだ、どこか心閉ざしてるのね…)



いたたまれなくなって、レイはアレンを今度は自分から抱き締めた。



「…アレン、私達は違うから。
私達…私は、アレンとずっと一緒にいる。
裏切ったりしないわ。」


自分の胸に顔を押し付け、くぐもった声で言うレイをアレンは見下ろした。

既に冷たい光はなくなり、優しい目でレイを見ている。



「…レイ」


名前を呼ばれたレイはアレンを見上げる。

彼の優しくなった瞳を見て、レイはにっこり微笑んだ。

背景の星空に負けないくらい輝くレイの笑顔を、目を細めて見るアレン。