結局その日アレンは起きず、レイは眠ったままの彼と一緒にリディン宅に泊まることに。


客室に移動したアレンの隣のベッドに潜り込み、疲れたのか彼女も早くに眠りに落ちた。




そして、真夜中。




レイは目を覚ますことになる。




その原因は冷たい夜風だった。

閉めていた扉が開いていて、廊下の冷たい空気が部屋に流れ込んだのだ。



「…寒いっ」

そう呟くのと同時にベッドから体を起こすレイ。

寒さの原因を見つけ、扉を閉めようと床に足を下ろす。


数歩歩いたところで、気付いた。



隣のベッドに違和感があることに。




「……………?」


寝惚けていたレイは反応が遅れた。

しかしすぐにベッドに駆け寄り、布団を引っ剥がす。


そして、絶句した。







───アレンがいない。