レイはぱちくりと瞬きをする。


(…あら?リディンさんのお家??)


何故ここに?と疑問思う前に、アレンを見たレイは違う方向に意識が飛んでしまった。


────アレンが助けてくれた。


あのカカサビレッジでも助けてもらった。



嬉しくなったレイは、老人二人がいるのも忘れて彼に思いきり抱き着いた。



「…アレンっ!」


アレンは勢いよく飛び付いてきた彼女に驚くものの、何とか踏ん張り転倒するのは防ぐ。

レイはアレンの胸のなかで彼をギュウッと抱き締めた。


アレンも腕をまわしてレイを包む。



「アレン、ありがとう…。」

レイはアレンにくっついたまま俯いて話した。


「…うん、あのさ、レイ…」

アレンも話そうとするが、その声があまりにも弱々しくてレイには「うん」しか聞こえない。

だから彼女はアレンが何か言いたげなのにも気付かずに、また話し出したのだ。


「嬉しかった…。私、アレンと会いたくて、話したくて…」




「…俺も、そうなんだけど…、ちょっと、今は…無理……」