ローゼが亡くなってから、三日が過ぎた。



ギルクとイルは本当にあの日の間に帰ってきて、予定を押したアレンを手伝った。




レイは未だに、城には来ていない。



ローゼの葬式は、忙しくて行けなかった。




「…アレン様」

いつものように、マケドニスはアレンを起こしに部屋に来た。


やっぱりいつものように返事はない。


「まだ寝ているのですか」


わかりきっていることを聞く。


また返事が来ないのを確認すると、マケドニスは合鍵を出した。



アレンの部屋の合鍵を持っているのは、側近のマケドニスとレイだけ。




「失礼します」


鍵を開け、中に入ると右手にあるベッドに主人はいた。



しかし、起きている。



布団を微妙に背中にかけたまま、ぼんやりと窓の外を見ていた…というより、そっちを向いているだけで何も見ていない。



「アレン様?」


驚いたマケドニスはアレンに近寄る。



「アレン様」


肩を揺すると、ゆっくりとマケドニスの方を見た。