“あの人ら”。



(……自分もだろ…。)


裏切ったくせに、今さらのこのこ現れやがって。


カルアシティの人達もそうだった。


俺が勇者になった途端、わらわら群がって来やがって。


───見てみぬフリとかしたようなあの時とは、態度が全く違う。




「……もう嫌だ…」


レイのことも。


わからない。



 わからない…………。







枕を更にキツく抱き締め、深く息を吐くとアレンは目を閉じた。



(…少し、寝よう。)



忘れたい。


寝ている間なら忘れることができる。





優しい淡い黄色に囲まれ、アレンは静かに眠りに落ちた。



自身の周りに金色の光が揺らめいているのも気付かずに────…。