一方、走って行ったアレンを追いかけたイル。
…見事迷子になっていた。
半年もいながらまだ城の構造を覚えていないらしい。
「だってぇ…、三階から五階って滅多に行かないしぃ…」
ぶつぶつ言い訳をしながらアレンを探す。
しかし本当にどこに消えたのか。
───さすが俊足アレン、一瞬で見失ったわ。
イルは自分の失敗をアレンの俊足のせいにした。
カタン…・・
「…!」
イルが一人百面相をしていると、小さな物音がした。
目の前にある扉からだ。
イルはそぉっとそこに近づく。
…コンコンッ
丁寧にノックをした。
すると扉の向こうは静まり返る。
「…アレン?」
おずおずと声をかけたイルはドアノブに手をかけた。
すると、イルが開く前にいきなり向こうから扉を開けてきた。


