ドサッ
「…ん?」
何かが落ちたような物音に、イルがくっついたままのギルクは馬車を振り返った。
落ちたのは、アレンの荷物。
それを持っていたアレンは馬車から降りたところで固まっていた。
「ん?アレン??」
声をかける。
が、アレンは一ヶ所だけを見て目を見開いたまま動かない。
ギルクはアレンの視線が釘付けになっているところに目を移した。
「…?」
アレンが見ているのは、どうやらマケドニスの親友のあの男。
「アレン?」
イルがもう一度声をかけたことで、アレンではなく見られているクウェンナが事に気付いた。
アレンとクウェンナの視線が真っ正面からぶつかる。
「……クウェン兄…?」
恐る恐る、といった感じでアレンが呟いた。
するとクウェンナはにっこり微笑む。
「久しぶりだね、アレン」


