翌日、レヴィオル国勇者の城。


イルとギルクは昼食を食べながらいつものようにじゃれあっていた。

その向かいにはシリティーが座っている。


いつも通りのギルク達とは違い、こちらはそわそわ。

城の権力者用と黙認されている食堂の中のテラスにいるのだからそれはわかる。

わかる、が、その緊張の仕様といったら尋常ではない。


だいたいシリティーはそんな些細なことでそわそわしたりするモジモジちゃんではないのだ。



「ねぇ、シリティー」

あまりにそわそわするもんだから、イルは気になってシリティーに声をかけた。

シリティーは短い内側に跳ねた白い髪を揺らすと、紫の瞳をイルに向ける。

イルはその視線を受け止めながらも首を傾げた。