「あの、そのエルフなんですけど。レヴィオル国に一人迷い込んでて、今城で保護してるんです。」

「え?迷い込んで??」


サリルナ教皇はまぁ、と口元に手を宛てて、白い目を見開く。

同じく白い真っ直ぐな長い髪がさらりと揺れた。

とことんおしとやかでとことん白い。


「はい。ルルアンっていう8歳の子供で犬も連れてて。心当たりありますか?」

アレンは白き美人にその碧の瞳を向ける。

サリルナ教皇はむぅ、と考え、すぐに顔を上げた。


「いいえ。調べてみますわ。」

隣で彼女の側近がいそいそとメモをしていた。

アレンはちょっと感心する。



「わかりました。此方で預かっていてもいいですか?」

「ええ。その子の好きなようにさせてあげて下さい。」


教皇は微笑みを取り戻して首を傾げる。

何だか動きが少女のようだ。