しばらくして、やっと教皇は泣き止んだ。



アレンの方を赤くなった目で見る。


「…ごめんなさいね。辛いことを聞いてしまって。」


その言葉にアレンは首を横に振った。


「…俺はもう立直りましたから。仲間ができたし、いつまでも引きずったりしたら母さんが喜ばない。」


そう言ったアレンは穏やかに微笑んだ。

作り笑いではなく、本当に。


「…そうね。ナティアは喜ばないわね。」

アレンの笑顔に教皇も笑った。


そして、少し考える素振りを見せるとアレンを真っ直ぐ見る。








「…そうだわ。ねぇ、アレン。

あの子の故郷に行ってみないかしら?」