少し遅れたのを村の長に謝り、会談を無事終えてアレン達は城に帰っていた。


馬車の中でルルアンはルルと遊び、マケドニスは暴れる一人と一匹に困り果て、アレンは窓の外を見ている。



とうとうルルアン達を止めるのを諦めたマケドニスはアレンに視線を向けた。



「今日は寝ないんですね」


少しビックリして言う。


「うん…」

「城のことが気になりますか?」

「…まぁ」


まぁ、と言うがいつも隙あるごとに睡眠をとるアレンが起きている為、かなり心配しているのがわかる。



「あと少しで着きますよ」

「……………」


だんだん見えてくる城を見ながら、アレンは溜め息をついた。



その時。




「あ~~~~~~~~ッ!!」




叫ぶルルアンに驚いてそちらを見ると…


「…っ何やってんだお前!」



馬車の扉が半開きになり、ルルアンが落ちかけていた。

ルルがルルアンの麦わら帽子をくわえ、そのゴムが首にかかっていて難を逃れたのか、辛うじて扉にしがみついている。


慌ててアレンが引っ張ると、ルルアンは半泣きで半笑いになって奇妙な表情をした。




「あははははははは~、…怖かった」



「…馬鹿…」



ギルクとイルより厄介そうな馬鹿三人目に、アレンはまた溜め息をついた。