「…じゃあまず、リシェラルク皇国の世界での役目はご存知で?」
「…争いの制止者、平和の象徴。ですよね。」
アレンは特に考える素振りも見せずに淡々と答える。
教皇は満足そうに頷いた。
「そう。その役目の為に、我がリシェラルク皇国は各国に人を送り込んでいます。もちろん、内密に。」
笑顔の教皇のその言葉に、アレンは密かに眉間にシワを寄せた。
「レヴィオルにもですか?」
そう訊ねるアレンの様子を見ても、教皇は笑みを浮かべている。
「えぇ。例外なく、各国にでしてよ。騎士軍隊の第三部隊の隊長、シェリーは元気でして?」
「………………。」
ダルヌク国だけでなく、リシェラルク皇国までもがスパイを送り込んでいる。
アレンは気付かなかった自分に嫌気が指してきて、黙り込んでしまった。


