「あ、アレン」

ルルアンが話しかけてきてはじめてアレンは反応した。

そちらを向いてルルアンの髪と同じ色の目を見る。


「………大丈夫」

「何が大丈夫だぁ!死ねコラ!!」


アレンが軽くルルアンに笑みを向けた瞬間、盗賊は一気に襲いかかってきた。



無駄のない動きでアレンは確実に倒していく。






「すご…」

ルルアンはルルにしがみついたまま、呆気にとられて呟いた。

その間にも盗賊は倒されていく。


見入っていると、ルルがキュンキュン鳴いてルルアンを押した。


「え?ルル??」

「エルフちゃんは今の内に一緒にどっか行こっか♪」


肩を掴まれて振り返ると、最初からいた三人の内の一人の女がニヤリと笑ってルルアンを引っ張っている。

驚いたルルアンは抵抗しようと暴れた。


「やだ!離せぇっ」


ぽかぽかと女を殴った。

が、女は気味悪く笑ったまま全く動じない。


「全然痛くないねぇ。アンタはあたしだけの手柄にするよ?」

「やだやだやだやだ!離せっ触るなぁ!!」


本当に連れて行かれそうになったとき、懸命に逃れようとするルルアンの様子を見たルルが、女の足に噛みついた。


「痛っ」


ルルアンは離さずに、女は舌打ちすると足元の犬を蹴飛ばした。


「キャウン!」

「ルル!」


ハッとしてルルアンが叫ぶ。

空に投げ出されたルルは、地面に叩きつけられる前に何かに抱き止められた。


「…大丈夫か」