リシェラルク皇国へ出発する朝。


城の裏口に出張メンバーは集合していた。



アレンとマケドニス、兵士も数名が固まっている。


「俺外の国行くのはじめてだなぁ~」


そう言ってへらへらしているのは懐かしのコニスだ。

彼はアレンが勇者になってすぐに魔法軍隊に入隊し、その魔力の強さと技術力故に第一部隊の隊長にまで上り詰めた。

第一部隊は軍隊で一番強い部隊。

元魔王の配下なだけあって、コニスに敵う者は軍隊中には皆無だ。

もちろん、魔王に従っていたことはトップシークレット。



「…お前は朝っぱらから…、よくそんな元気にいられるな…。」

低血圧アレンは欠伸をしながら呆れ返った。

そこにマケドニスが文句をつける。


「貴方は修行なんかしてるからそんなに眠いんです!今日くらいやめとけばよかったものを…」

「ん」


マケドニスの長くなりそうな説教を、アレンはものの見事に一言で終わらせた。