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リシェラルク皇国に行くのが決まってから、アレンとマケドニスは準備で大忙し。
レイは昼食を食べて一人城をぶらぶらしていた。
執務を終わらせたから、3時にロンが来るまでは自由。
兄に会えるのは嬉しいが、レイの気持ちは複雑だった。
(明日と明後日、アレンに会えないなんて。)
何だか最近、アレンが自分からレイに訪ねてくることが多い。
だから何も知らないレイは幸せ絶好調だったのだが、たった二日間会えないというだけのことがその絶好調を崩してしまった。
「…忙しいのは仕方ないわよね。」
自分を納得させるかのように呟く。
レイはイル達のところにでも行こうかな、と足を階段に向けた。
廊下の曲がり角に、使用人が二人話しているのが見える。
特に気にもせずにそちらに向かって歩いたレイだったが、その二人の会話が耳に入ってきて咄嗟に壁に張り付いて隠れた。


