「…行くのですね?」
「……………。」
アレンは無言で頷く。
「では手配します。明日と明後日の予定は延ばしますね。
向こうは会談を午後にしたいらしいので、出発は明日の早朝にしますが…よろしいですか?」
アレンの判断を聞いた途端、さっきまでビビっていたマケドニスはテキパキとそう伝えた。
またも無言で頷くアレン。
それを見たマケドニスは一礼すると、知らせと準備の為にそそくさと部屋を出ていった。
「…頼りになるわね」
レイはマケドニスを尊敬し直したようだ。
感心しながらマケドニスが出ていった扉を眺めるレイに、アレンは目を細めた。
(…明日の早朝に出発。だったらそれまでに考えればいいかな。)
とにかく自分がいないときに城に残すのはまずい。
ギルク達に任せればいいのだが、彼らはスパイの存在を知らないのだ。
…シルラの裏切りも。
一瞬嫌な記憶が脳裏を過ったが、アレンはそれを頭を振って振り払った。


