「そんなに会談が嫌なの?」
不機嫌なアレンにレイは眉を下げて悲しそう。
自分の身の危険など全くわかっていない。
(…レイを連れて行くか…?)
でもそんなことしたらそれこそ怪しい。
今まで他国に泊まりで行ったことはあったが、マケドニスと数人の兵士以外連れて行ったことはないのだ。
あまり大人数になるとキツいし、相手がレイを見て何故いるのだと疑問に思うかもしれない。
国内ならあり得たけど…、他国となると話が違う。
今までなら城の方が安全だったのに。
アレンはまた苛々して長い足を揺らした。
「…アレン?」
「…何でもない。」
アレンはそう言ったが、レイは見てしまった。
一瞬だけアレンの瞳が冷たく恐ろしいものになったのを。
マケドニスもそれに気付いた。
「…アレン様?」
おずおずと声をかける。
アレンは元に戻った瞳でマケドニスを見た。


