「…わかった。渡しておく。」

マケドニスがそう言うと、ロレスウェルは満足そうにその場を去った。

その後ろ姿をジッと見て見送ってから、マケドニスは目の前の扉にノックをする。


「入っていいわよ」


すぐにレイの可愛らしく綺麗な声がした。



「失礼します。」

アレンとレイが二人のときに入るのはかなりの勇気がいる。

マケドニスはいちいち緊張しながら中に入った。


「マケドニス、さっきから廊下で何してたんだ?」

アレンはレイが出してくれたポッキーを食べながら、暢気に休憩をとっていた。

しかし執務はきちんと終わっているようだ。


マケドニスは感心しながらアレンに歩み寄る。



「ロレスウェルと話していました。彼女がこれを届けて来たので…。」

そう言ってアレンに例の手紙を渡すと、思った通り彼は怪訝そうに眉を潜めた。


「…サリルナ教皇?」


ポッキーに伸びた手が手紙にまわされる。