「手紙?」

マケドニスは姿勢を正してそれを受けとる。


「はい。リシェラルク皇国の教皇様からみたいです。」

ロレスウェルのその言葉に、藍色の髪の青年は眉を潜めた。


「それって、サリルナ教皇様か?」


サリルナ教皇。
本名、サリルナ=ルクシム=ラ=エリスティン。

リシェラルク皇国の教皇、つまりトップであり、レヴィオル国でいうとアレンの立場にある。

年齢不詳、魔力も不詳。

他国とあまり関わりを持とうとせず、アレンともマケドニスとも会ったことがない。

謎だらけのミステリアスな美女なのだ。


その彼女が、はじめて手紙を寄越した。



「はい、その様です。」

ロレスウェルはそう言った事情は知らないのか、笑顔でマケドニスの問いに答えた。