「…レイ?どうしたんだ?」
「何でもないの」
目線を合わせるために屈んだアレンに目を向けず、レイはボソッと呟いた。
「何でもないわけないだろ。」
「何でもないわよ」
レイはやっぱり目を合わせずに呟くだけ。
「言いたくないならいいけど…」
ローゼ譲りの頑固なレイを何度か見たことがあるアレンは、無理に聞くのはやめにした。
「…大丈夫か?」
「…えぇ。」
大丈夫ではなさそうだ。
部屋に入れたくせに頑固に意地をはるレイにアレンは少し困った。
「…何かあったら頼れよ?」
「大丈夫よ」
「大丈夫じゃなさそうだから言ってんだ」
「……………。」
レイは黙り込む。
拗ねたレイを優しい目で見ていたアレンは、不意に扉の方を振り返った。
その目はさっきまでの優しいものではなく、鋭く厳しい。
「…アレン?」
彼の変化にレイは布団からひょっこり顔を出した。


