「…ダルヌク製の鋼鉄だ」


刃物の平らな部分を指で擦りながら、アレンは眉を潜めて呟く。


「…いい加減うざい」



三日前からこんなのばっかりだ。



あの鉄骨落下事件の後、マケドニスと別れてすぐにナイフが飛んできた。

すぐに反応して剣で軽く弾き落としたからいいものの、あのまま廊下を真っ直ぐ飛んでいたら誰かに当たったかもしれない。


その翌日も、またその翌日も、当たれば確実に死ぬであろう物が飛んできたり降ってきたり。


全部アレンが一人のときだからそれは助かるのだが、さすがに鬱陶しい。


今日は手紙だと思った封筒からコレが飛び出て来て、危うく首に怪我を負うところだった。



(…それにしても…)



おかしい。



特に今日のは。