「どうしてこんな怪我を?」

「…紙で切ったんだ」

「そんなワケないでしょう。とりあえず治療するわよ。」


一気に厳しい表情に変わったクナルはアレンの傷に手を翳した。


水色の光が赤い筋を包み、癒す。


「…明らかに刃物の痕じゃない。誰かとお手合わせでもした?」

「…そんなとこ」

「嘘おっしゃい、並の人間が貴方に傷をつけれるワケがないでしょう。」


自分から聞いたくせに否定したクナルはその短い会話の合間に傷を完治させてしまった。

手を引き、水色の光が収まるとまたアレンを厳しい眼差しで射る。


アレンは特に気にした様子もなく髪をかきあげた。


「…ありがとう。目はあとどれくらいで治る?」

「数時間経てば治るわ。で、その怪我は何なの?」

「…ドジったんだよ」

「アレン君!」


声を荒げたクナルにアレンは片眉をぴくりと上げる。


「どうして怪我をしたの?」


クナルは怯まずにまた聞いた。