「…むぐっ!」


一気に薬が喉に流れてアレンはむせ返る。

やっぱり、不味い。

予想以上の不味さだ。


「ほらほら、我慢我慢。子供じゃないんだから…、ん?」


必死に薬を飲むアレンを適当に応援していたクナルはふと言葉を止めた。

ちょっと涙目なアレンをじっと見つめる。


「アレン君、どうしたの?コレ。」


そう言って、アレンの左の鎖骨辺りにある赤く浮かび上がるものを指差した。



「え?あ…。」

アレンは慌てて隠すが、クナルに手を掴まれて断念せざるを得なくなる。



「…傷…」


クナルが見つけたのは生々しい切られたような傷だった。

うっすらと血が滲んで、アレンの肌に筋を刻んでいる。