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数時間後、勇者執務室。
コンコンっ
ノックの音がして、アレンは咄嗟に持っていたものを執務机の引き出しにしまいこんだ。
「…どうぞ」
持つものを報告書に変えてから、扉の外の人物に声をかける。
「失礼しまーす」
そう軽く挨拶しながら入って来たのはクナルだった。
「薬、できたわよ。はい。」
「ありがとう」
袋に入ったそれを受けとる。
そして、中身を見て顔をしかめた。
「何、そのあからさまに嫌ですみたいな顔は?」
「…だって、色が…」
小さく呟くアレンが取り出したそれは、小瓶の中で紫色をやたらと主張していた。
しかも何だかドロッとしているっぽい。
「良薬は口に苦し!ほら、飲んだ飲んだ!」
小瓶を取り上げ、クナルは嫌がるアレンに無理やりそれを飲ませた。


