オージャスに聞かれ、アレンは一瞬躊躇した。 しかし、すぐに口を開く。 「…城内にダルヌク国のスパイがいます。そいつを…見つけて下さい。」 アレンはオージャスの方を見て、きっぱり言った。 「「…スパイ?」」 オージャスとマケドニスの声が重なる。 アレンは疲れたように溜め息を吐くと頷いた。 「アレン様、どういうことですか?」 マケドニスが肩に手を置いて聞くと、アレンはそっちを向いてぼんやりと彼を見る。 「…ココアだよ」 アレンはそう言うと丸テーブルに置いてあるコップを取った。