────暗い、黒い空間。




そんな一点の光も届かない場所にただずむ一人の女性。




彼女はひたすらに一つの水晶を覗き込んでいた。






「そろそろ仕掛ける頃ね。アイツにもいい働きしてもらわなくちゃ。」




一人っきりの空間に色っぽい声がやけに響く。






「あの力がないと意味がないの。絶対、手に入れなくちゃ。」






女性は艶やかに笑うと片手に持ったワインを飲み干した。






「さぁ…、あたしの為に働きなさい。」







確実に闇が、動き出す。