ポツッ…ポツッ…。



ザアァァア─────




「きゃ、嘘っ。雨?」



城の真っ白な門を慌てて潜る影。


それは門から城までの長い道を急いで駆けていった。




「ふぅ…。濡れてないかしら。」


走っていた影、レイは買い物袋の中を確認する。



「大丈夫、ね。ふふ、楽しみ!明日は晴れてねっ」


空に向かって笑顔を振り撒く。

レイは明日のアレンとのお出掛け…つまりデートの為に買い物に行っていたのだった。




「お洒落して行かなきゃ♪」




ルンルン気分のレイ。


買い物袋でなく自分が濡れてしまったのに気が付かないほど浮かれていた。