【短編】あなたとの距離、近くて遠い


私は久保田さん達に言って、部屋に戻った。

隣に母さんが私に話しかけてきたけど、何を話しているのか覚えていない。

 ただ、覚えているのは、安堵した様子で笑っていた久保田さんの顔しか覚えていない。

 あの顔は私のことを心配して、見せた顔。

 でもなんで。

私みたいに迷惑をかけている人は少なからずいるはずなのにあんな顔、見せないでよ。

 私、期待しちゃうじゃん。やめてよ。