【短編】あなたとの距離、近くて遠い


事務的な対応を私に言い、先生方々は去っていた。

 扉が閉まり、私はなにか物思いにふけていた。

退院か。

体調が悪いから、入院してるんだもんね。良くなったら、退院する。

分かっている。

大した病気でもないし、免疫力が弱っていたから休んで、体調良くなるまで入院しているだけ。

 分かってる。分かってる。なんで、わかってるのに、涙が出そうなんだろう。

すると、小さいテーブルに置いていた携帯が小さくブッと鳴った。

 携帯を開くと、母親から連絡がきていた。
 To: おはよう
 具合どう? 今日の午後病院に行くから。
 この文章だけ見ると、母親と話しているようだ。

 今日、母さん来るのか。

 そう思っていると、他の看護師の方が来た。