2回は諦めた。けど。


「…あー、説明すると長いけど、」

と、引っ越しのことを言いたくなくて濁すと、

「大丈夫大丈夫。」

と、親指を突き立てて笑顔で俺を見てきた。

俺は諦めて、話すことにした。
けど、ここは玄関だし、とりあえずリビングに通した。

「よーたろー。茶。」

と、ドッカーとソファに座ってくつろぐこいつはホント何様なんだ。

「自分でやれ。」

と、俺は蛍の分だけミルクティを準備した。