(ベチッ)

「おい蛍!!!なにぼーっとしてやがる!?」

「おわぁ!?」

え、なに!?いた!!!

この人、人の顔面手のひらで真正面からぶっ叩いたよ!?

「痛いわ蘭子!!なにすんのさ!!!」

顔をさすさすして言うと、

「いや、蛍がボケっとしてたからつい。」

ヘラヘラ笑う蘭子にイラッともしたが、まあ、許してやることにした。

「それよか、あたしらってほんとなにがいけないんだろ?」

一体なんの話だ?人が急いでお昼食べてんのに。

「なんの話ー?」

ラストの卵焼きを飲み込んでから聞くと、

「彼氏よ彼氏ー。」

と、小指を立ててフリフリする蘭子はいじけた顔だった。

「そんなもんまず好きな人作んなよ。蘭子そこそこイケてんだからー。」

紙パックのミルクティーを飲みながらだるそうに言うと、思っきり顔をつままれて、

「あんたに言われたくないわ。あたし彼氏できたことないんだからね!?」

と、かなりキレられた。

そんなこたあしるか!!

蘭子が理想高すぎんでしょ!!!

「蘭子が理想高いからだよー。離してー。」

と、蘭子の手をペシペシやると、

「はぁー。恋したい。」

と、ちょっと古いポエミーっぽいことを言い出した蘭子に何故か私はツボに入って大爆笑をした。

すると

「何笑ってんの!?」

と、怒られたが、笑いが止まらず、ずっと笑ってると蘭子も笑い出して、

「蛍の笑い方ってか声ほんと変!!」

と、半悪口を言われた。

なにそれーとか言いながらずっと笑ってると、チャイムがなり、蘭子がクラスに帰っていった。