2回は諦めた。けど。


「洋太郎の彼女可愛かったよ。洋太郎も笑ってた。」

さっきより強めの声で言う蘭子は少し怒った顔だった。

「さすがよーたろーだね。澪といい、モテるんだ。」

とヘラヘラ笑って言うと、

「彼女を送ったあとかな。1人だったけど、洋太郎あたしに声掛けてきた。高校の話とか友達の話とか結構話したよ。蛍のことも言ってた。」

私は蘭子の最後の言葉に異常に反応してしまった。

「気になる?どんな話か。」

と、にやにやしてる蘭子を気にする間もなく、

「よーたろーなんて??」

と聞き返した。

すると蘭子は

「大した話じゃないけど、なんか筆箱の話だよ。洋太郎の筆箱になんかラクガキしたんでしょ??小学生の時って言ってたかなー。」

と、蘭子は曖昧そうな記憶で言ってきた。