そのまま蘭子とお昼を食べていると、蘭子が窓の外を見ながら、

「昨日洋太郎に会ったよ。」

と言われた。

一瞬、ドキッとしたけど、

「へぇー。なんか変わってた?」

と聞くと、

「彼女といたよ。」

って真剣な顔で蘭子がこっちを向いた。

「そうなんだ。」

とご飯を食べていると、

「蛍は洋太郎諦めたの?」

と、蘭子が聞いてきた。

「当たり前じゃん。もう会えないし。」

そう。

よーたろーは中学を卒業したと同時に引っ越して行った。

よーたろーとは、小学生の頃から結構仲が良かった男の子。
小学生の頃1番仲良かった人は誰ですか?と聞かれたら迷いなくよーたろーと答えられるほどに。

でも、中学に上がるとクラスが離れ話す機会も減っていった。

けど、中学3年生でよーたろーと一緒のクラスになった。

私はこの時、よーたろーがすきだと気づいた。

告白もしようとした。

けど、話せなくなるのが嫌で、言えなかった。

そしてそのまま卒業した。

引っ越しと言ってもそんなに遠くはないし、行ける距離。

そしてなにより、私は洋太郎が好きだった。