そのまま空を家に送って、1人で歩くと、また考える。

なんで蛍があそこにいるんだ?
蘭子はわざと蛍を連れてきたのか?
もう蛍のことは好きじゃないはずなのに、なんで空の手を離した?

考えれば考えるほど、自分が最低だって再確認した。

そしてまた着く、駅で蛍がいないかキョロキョロしながら歩いていると、

「あらー、昨日ぶり。」

今度は改札を抜けた所で蘭子が1人でいた。それもこっちなんて見ずに、スマホをいじりながら。

「どうだった?びっくりした?」

今度はこっちに歩いてきてにんまりと笑った。

「なんの話?」

俺も負けじとふっと笑った。