「よーたろー。これってなにに使うものだと思う??」
と、俺に聞いてくるのは隣の席の女の子で、名前は城田蛍-シロタホタル-。
で、その子が手に持ってるものはソプラノリコーダーに入ってる棒みたいなものだった。
正直俺もわからなくて、
「うーん、チャンバラするもんじゃね?」
と、俺もその棒を手に持って振ってみた。
「お?やるか?」
と、にやにやしながらこっちに棒を向けてきた蛍に俺はその棒を振り払って、
「かかってこい!」
と、蛍に棒を向けた。
すると、
「うるさいのは誰??」
と、俺たちをビクつかせる声が聞こえた。
ただいま音楽の授業中で先生が黒板に書いた言葉をプリントに書き写す授業だった。
俺と蛍はやべっとプリントに文字を書くふりをした。
そしてまた先生が黒板の方を向くと、また蛍が俺の腕を棒でぶっ刺してきた。
「って!強すぎんだろ!」
と小声で俺が言うと、
「やろーぜチャンバラ!」
満面の笑みで棒を俺の顔面に向けてきた。
その後俺たちは先生に見えないように全力でチャンバラごっこをしていた。
そして、蛍が
「負けたらお互いの筆箱にラクガキね!」
と小声で俺に言ってきた。
俺も負ける気がしなかったので
「受けて立つ」
なんてかっこつけて言ってみた。
それから結局何故か俺の負けで蛍に棒人間のラクガキをされた。