「あそこにいる子だよ。よーたろーずっとあのこ見てる。」

と、空が指さした方には蘭子がいた。

「俺そんなあの子見てた?」

と、聞くと、

「うん、めっちゃ見てた。あの子がタイプ?」

と、もう一度聞いてきた。

「違うよ。あの子は中学校が一緒だっただけの子。見覚えがあって見てただけ。」

俺はできるだけ優しく答えた。