──送電線を調べるも、異常は発見できない。

 と、思っていたら、

「あそこ」

 一口の差す方を見やる。

「なんだ、あれ」

 鉄塔から垂れ下がっているものに目を凝らす。

 後ろを向くと、敷地の外に高い鉄塔が見えて、そこにも何本かのケーブルが垂れ下がっていた。

 しかし、鉄塔の反対側にあるケーブルはなんともない。

「なんてこった」

 街へと伸びるはずの送電線が綺麗に切断されている。

「あいつだ」

 モリスが指を差す。