「外がだめなら、内のゾンビを滅ぼせば良い」

 生き残りはまだいるはずだ。一匹でも多くゾンビを殺せば人類は助かる。

 広がらないなら、入ってもこない。対処法は大体、解ってきた。

 俺たちだけでも生き残ろう。

「そうだよな」

 一口の口元に笑みが浮かぶ。

「まだ間に合うよね」

 早苗も覇気のある声を上げた。

「奴らは足が遅い。だったらお前たちでも倒せる」

「何か武器になるものを探そう」

 モリスに励まされ、俺たちは息を吹き返した。

「晴れた日なら、あいつらは脳から出れば死ぬ」

「雨の日はどうしよう」

 それにハッとした。

 雨が降れば、奴らの子どもが脳から出てきて寄生出来る生物を探して回る。

 小さな虫なら、どこから入ってくるか解らない。ここも安全とはいえないんだ。

「まずは一階以上がベストだろう」