「確かに」

 俺は網の目のフェンスをよじ登っているゾンビを見ながら応えた。

 いくら神経をつなげたからと言って、器用には動かせないのだろう。

 大体は三メートルくらい登ると手が滑って落下している。

 あの高さから落ちればただでは済まない。

 足を痛めれば歩くことも出来なくなるのだから一人、また一人と危険なゾンビは減っていく。

 食べなければならないゾンビたちにとって、動けなくなるのは死活問題だ。

 ゾンビなのに死活問題ってどうなのかとは思うが、ゾンビと呼んでいるだけで実際は人間に寄生した寄生虫だ。

 厄介なことに一度寄生されると、もう助からない致死率百パーセントの超危険生物であるのに、こちらは何も解っちゃいない。

「もう一つの門は?」

「そっちにも見張りがいるよ。出入りにはほとんど使わないようにしてるけど」

 学校は敷地も広く、ある程度の生活が出来るくらいの資材が揃っている。