「ワタシ、米軍基地ニイマシタ」

「え。基地ってこっから遠いよな」

「今日ハ非番デシタ」

「へえ」

 俺は説明を聞きながらモリスの手を見つめる。非番の人間が、なんだって拳銃を持っているのか。

「ソンナコトヨリ」

 察してか話題を変えやがった。よくよく見るとこいつ、背中に背負ってるのはショットガンじゃねえのか。

 ゾンビ映画らしくなってきたっちゃあ、なってきた。

 しかしだ、違和感ありすぎだろ。ここは日本だ。アメリカじゃない。いや、アメリカでも州によっちゃおかしくなるかもしれない。

「なんでそんなもん持ってるんだ?」

 ばか一口がしれっと尋ねやがった。

「コレ、改造ネ。サバイバルゲームで使オウト思ッテ、トランクに入レテタネ」

「そうなんだ」

 お前よくそれで納得したな。