でも逆にこれはチャンスだ!


頑張って橋本くんと話して仲良くなるんだ……!


意を決して窓側の席へと向かうと………


もう橋本くんは座っていた。
そして彼の前の席の男子と仲よさそうに話している。


まってすでにかっこよすぎて近づけない……!!


すると橋本くんが私の存在に気づいた。


「あ、中山さんだよね?
これから隣の席同士、よろしくね。」


…………夢かと思った。


だって橋本くんの視界に私が入っていて、私の名前を知っていて…………


私の存在が認知されてたってことだよね!?


「中山さん……?」
「あっ、はい!よろしくお願いします!」


「え?なになに、この子和也に敬語使ってるじゃん。恐れられてるんじゃねぇの?」


しまった……。
つい私が敬語を使ったばっかりに、橋本くんが前の席の男子にからかわれていた。


「そんな恐れられるようなことした覚えはないけど………中山さん、俺のこと怖い?」


いいえそんなことないです。


そう言う代わりに全力で首を横に振った。


「えっ何この子本当におもしれぇんだけど。
なあ、これから仲良くしようぜ。


俺の名前知ってる?
津原 陽(つはら よう)って言うんだ、よろしくな。」


急に橋本くんの前の席の男子が自己紹介を始めた。


元気で明るい、運動部に入っていそうな人だった。


「あ、えと、私は中山千紗です………よろしくお願いします……。」


「俺は橋本和也!陽なんかほっといて俺と仲良くしよっか。」


「待てい。俺をハブにするなぁ!」


な、なんということでしょうか。


早速橋本くんと………(ついでに津原くんも)話してしまった……!


この上ない幸せ……!!