そして入学してから3ヶ月が経った頃、俺は廊下でちーちゃんを見かけた。


その時、ちーちゃんと女子の会話が聞こえてきた。それぐらい大きな声でちーちゃんは話していた。


「やばい……!本当に橋本くんカッコいい……!話したいなぁ」
「本当に好きだねあんた、橋本のこと。話しかけなよ。」


「無理無理!ぜーったい無理!橋本くんと話したら死んじゃうよ……!」


…………は?
今ちーちゃんはなんて言ったんだ…?


だけど俺が全てを理解するのにそう時間はかからなかった。


なんだ、そういうことかよ。


ちーちゃんは昔の俺だと気づかずに、初対面の別人として俺のことを好きになったんだ。


………ふざけんな。
本当、なんなんだよ。


俺はすぐにちーちゃんだってわかったし、昔と気持ちが変わらない。


今だってちーちゃんが好きだ。


なのにちーちゃんは俺のことを橋本くん、なんて呼んで遠い存在のように話してるし。


すっげぇイライラする。


だから俺は決めたんだ、絶対にちーちゃんが気づくまでいじめてやる。


翻弄さしてやるよ。
そのために俺は………手段を選ばない。


俺が2年でちーちゃんと同じクラスになったのも、席替えで隣になって告白して付き合ったのも。


全部必然だから、俺が仕組んだことだから。


これが俺なんだよ。
なあちーちゃん、早く気づけよ……。