その後も特に気まずい空気が流れる事もなく駅に着いた。


そう、ここまでは良かったんだけど………


他の生徒たちがいる中、私が橋本くんの横にいると目立ってしまう。


今たくさんの人から視線を浴びている。


それなのに橋本くんときたら……


「あの、橋本くん…!」
「んー?どうしたの?」


どうしたの?じゃないです……!
駅に降りた瞬間手を繋ぎはじめた橋本くん。


「あのですね、目立つから………」
「あぁ、手?人が多いから手を繋いでたら離れることもないかなって思って。それにもう付き合ってるんだから。」


うっ……そんなストレートに言われたら………心臓がもたないんです……!


ていうかその前に……


今の橋本くんの言葉、多くの人に聞かれました。


「えぇ!?橋本くん付き合ったの……!?」
「誰あの女。」


「うそ!やだやだ!」
「いやぁ、なんで!?」


悲鳴まであげる女子生徒たち。


ああ………麻里……。
本当に危険な目にあったら助けてね。


そう思いながら橋本くんと手を繋ぎ登校した私。


昨日まで教室から橋本くんの登校姿を見ていたのに、今日から手を繋いで隣を歩く関係になっているなんて考えもしなかったよ………。