「昨日はその、悪いかなーっと思いまして……邪魔者は退散しようと」
「中山さんが邪魔?そんなわけないよ。
俺の彼女なんだから1番隣にいてほしい存在の人なんだよ?」
………くあっ!
ダメダメダメ、死ぬ死ぬ死ぬ。
ドキドキして心臓音がやばい……。
「ご、ごめんね?もうしないから……」
「じゃあ今日こそ一緒に帰ろうね?同じ駅ってことがわかったんだし。」
私と同じ駅だと今日気づいたにしてはあまり驚いていない橋本くん。
まさか知ってたとか、そんなわけないよね………。
「なんで今まで一度も会わなかったんだろう?」
素直に疑問に思ったことを口にした。
「それはちー………………っ、いつもは一本遅いのなんだけどたまたま早く起きたから一本早いので来たら中山さんがいたんだ。」
「そっかぁ。」
…………って、ごめんなさい。
私が入学式以来恥ずかしくて一本早くしたんですよね。
でももし入学式と同じ電車で来てたら………毎日電車で橋本くんを見れてたってこと!?
最悪だ、もっと早くから気づいておけば……!
まあもういいのか。
今は一応付き合ってるから………。
だけど1つ疑問が。
さっき橋本くんが話す時変な間があったような………。
『それはちー』って言いかけてなかった?
何を言おうとしてたんだろ。
「中山さん?どうしたの、ぼーっとして。電車きたよ?」
「あ、いや……なんでもないよ。」
ま、いっか。
橋本くんは気にしてなさそうだし。
だから私はそんなに気にも留めないまま橋本くんと一緒に電車に乗り込んだ………。